2020年9月17日に公開のアニメ『ドラゴンズドグマ』の紹介記事です。
どんな内容なのか、作品をみるべきか否か、判断の材料をみていきましょう。
売り上げは全世界累計530万本以上、ミリオンセラー作品です。
それにしても、なぜ昔のゲームがアニメ化……。
原作ファンとして書けることもあるので、振り返ってみましょう。
比較×紹介
「ダークファンタジー」の印象が強いかの……
(※わざと内容を明らかにしないもの)
ゲームのトレイラーがよくできているため、良ければご覧ください。
何となく雰囲気が分かるトレイラーですね。
ゲームの開発元はカプコン。
2012年5月24日に発売されたオープンワールドのアクションRPGとなっています。
オープンワールドの作品とはいえ、カプコンらしくアクションに重きを置いたような作品です。
広大な世界を持つゲームよりは小さめな世界となっています。
(金字塔『skyrim』の1年半後くらいに発売、先発には『oblivion』『アサシンクリード』『GTA』など、後発には『ゼルダの伝説 BoW』『ゼノブレイド』『ウィッチャー3』などがオープンワールド有名作品)
ちなみに無印の『Dragon's Dogma』と『Dragon's Dogma: Dark Arisen(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン)』の2種類がありますが、違いは追加要素の有無だけです。
開発元のカプコンのゲームが原作となるアニメは、実はたくさんあります。
カプコンのアニメ作品
- 『ロックマンエグゼ』シリーズ5作品 2002年~2006年(計209話)
- 『ビューティフル ジョー』2004年秋-2005年秋(全51話)
- 『デビルメイクライ』2007年夏(全12話)
- 『戦国BASARA』3期まで/2009年春・2010年夏・2014年夏(計38話)、番外編/2018年秋(全12話)、劇場版/2011年6月
- 『イクシオン サーガ DT』2012年秋-2013年冬(全25話)
- 『ガイストクラッシャー』2013年秋-2013年秋(全51話)
- 『逆転裁判 〜その「真実」、異議あり!〜』2期まで/2016年春夏・2018年秋冬(計47話)
- 『モンスターハンター ストーリーズ RIDE ON』2016年秋-2018年冬(全75話)
- 『バイオハザード ディジェネレーション』2008年/
『バイオハザード ダムネーション』2012年/
『バイオハザード: ヴェンデッタ』2017年
フルCG長編アニメーション映画が3作など...
(※2000年以降のアニメを抜粋)
この中でも『ドラゴンズドグマ』のアニメはどの作品とも違うような印象です。
特に話数が「全7話」ということなので、どういった作品になるのかが気になりますね。
3行で内容紹介:おともを連れて、ドラゴンを倒しに行く
- 海沿いの村がドラゴンに襲われる
- 主人公の心臓が奪われ「覚者」となる
- ドラゴンに会うため旅立つ
ゲーム序盤のあらすじになります。王道です。
『ロード・オブ・ザ・リング』などのファンタジーが好きな方、日本のRPGが好きな方は特にハマると思います。
心臓を奪われるとは文字通りで、「覚者」は「ドラゴンに心臓を奪われた者」の呼び名です。
俗に言う選ばれし「勇者」に近いですが、主人公ただ一人というわけでなく他の人物も選ばれてします。
ところで、Netflixの配信ページでは「SF・ファンタジーアニメ」のカテゴライズがなされています。
ゲーム原作の作品において、ゲームシステムをメタ的にとらえたものをストーリーに含めると、SFとファンタジーは似たような性質があるような気がします。
例えば、RPGでよくある「強くてニューゲーム」や「クリア後に直前まで巻き戻っている」「同じことをくりかえす」ようなシステムはとてもSF的です。
言ってしまえば「ループもの」ですね。
ゲーム『Dragon's Dogma』においても、そういったプレイが可能でした。
さらに言えば、ループするシステムが独自の雰囲気をつくっていたところがありました。
果たしてアニメ本編の内容はどうなるのでしょうか。
Netflixオリジナルアニメシリーズ
ここでアニメの予告編をどうぞ。
アニメ『ドラゴンズドグマ』の特徴のひとつとして、3DCGを手書きのように見せる「セルルックCG」が使われていることが挙げられます。
PVの戦闘シーンにあったように、スローモーションでカメラを動かすような映像は3Dならではの表現です。
アニメのストーリーは原作と完全に共通していないようです。
PVを見た限りでは3つほど分かりやすい違いがありました。
- 主人公が青年 ⇒ 壮年?
- ポーンと呼ばれる従者が男性 ⇒ 女性
- 主人公が闇落ち?
元から自由度の高いゲームなので、すべて原作でもあり得る設定だと思います。
以下、公式サイトにあるストーリーです。
100年以上の時を経て突如姿を現したドラゴンは、カサディスの村を焼き尽くした。
愛する家族を守ろうとドラゴンに立ち向かうイーサンだったが、ドラゴンによって自らの心臓を奪われてしまう。
絶命したかに思われたイーサンは"覚者"となり蘇り、イーサンのもとに突然現れたポーン ("従者")のハンナと共に、心臓を取り戻す為の旅にでる。
旅を続けながら、イーサンは七つの大罪を体現するモンスターとの戦いを繰り広げていくことになるが、しかし、モンスターを倒すたびに、彼自身もまた少しずつ人間性を失っていくことになろうとは、まだ知る由もなかった…。
出典:https://www.capcom.co.jp/DD-DA/news/netflix-200715.html
7つの大罪は原作に登場しません。
(※アニメでは7つの大罪にちなんで、全7話構成とのこと)
登場人物の名前も、原作にはないものです。
しかし「カサディス」の名前は、原作の初期村と同じになっています。
序盤のストーリーも同じような感じに。
原作プレイヤーが想像するに、アニメの舞台は原作の「ゲームクリア後の世界」になっている可能性があります。
後述する好感度システムがお話の進行と関わっているためです。
公式サイトには、主人公・イーサンと妻の場面写真が載っており、ゲームの視点で見ると「主人公の妻」が「ゲームのNPC」にあたることになります。
(※公式サイト、アニメのスクショが載っています)
オススメ要素① NPCの扱い:ポーンシステム
どう特殊なんだろう?
『Dragon's Dogma』におけるNPCは、主に2種類に分けられます。
- 「通常のNPC」がひとつ目。
町の住人や宿屋の店主、よくある主人公の幼馴染などもNPCですね。
NPCとの間には好感度のような隠された数値があり、最終的に配偶者や相棒のような形で、主人公と密接な関係になる可能性があります。 - もうひとつは、「ポーン」と呼ばれる旅を共にする味方のこと。
これが少し特殊なものになります。
ストーリーでは、主人公とポーンの関係性も大きな物語の一部です。
PVにも一瞬映りましたが、ポーンは「リム」という光る石から召喚されます。
異界の光。戦徒「ポーン」
別名“異界渡り”とも称される、人に似て人ではない種族「ポーン」。
自発的な意志や感情は持たず、戦徒として契約を交わした覚者に付き従い、献身的に働く忠実なる従者である。#DDON pic.twitter.com/R04iEz67TD— ドラゴンズドグマ オンライン 公式 (@DDO_official_JP) April 14, 2015
ゲーム本編では、心細い旅路をささえてくれる頼もしい仲間でした。
主人公と同じくアバターとなるポーンの見た目を細かく設定できるので、仲間としての愛着がより増すことになります。
またアニメでは難しい表現だと思われますが、ゲームには「オンライン要素」がありました。
他プレイヤーのポーンを召喚できるというもので、最大2人まで一緒に連れて歩けます。
お話の尺の関係上、第三の覚者とそのポーンが登場するかどうかは分かりませんが、『ドラゴンズドグマオンライン』という次作のオンラインゲームにおいても、欠かせない要素となっていました。
(※『ドラゴンズドグマオンライン』は2019/12/05にサービス終了)
AIによるおバカな一面
AIといえば融通が利かないという一面も。
従来のゲームで言うと、何回話しかけても同じことを話したり、同じところを行ったり来たりというやつですね。
『Dragon's Dogma』のポーンは、それよりはいくぶんか優秀です。
しかし、自分から水に入って「ずぶ濡れです」と言ってみたり、ひたすら自画自賛してみたり、特徴的な言葉でモンスターを煽ってみたりなど、不思議なところがありました。
そういった謎の行動が愛すべきゆえんでもありました。
ポーンの存在によって、ゲームのエンディングはしみじみとした結末となります。
一方で通常のNPCに好感度システムという概念もあり、予期しないエンディング迎えてしまったプレイヤーも(発売当時は)多かったのではないでしょうか。
ゲームの音声も英語がデフォルトです。
NPCとの会話も英語になるので、特殊な発音が耳から離れないプレイヤーも続出していたはず。
アニメにおいても、そういった原作にちなんだ発言などが登場するのか、気になるところではあります。
オススメ要素② 派手なアクションや魔法
創作としての動きのカッコ良さと、現実的な重量感のある動きのバランスがちょうど良いものでした。
『Dragon's Dogma』の魅力は、派手なアクションや魔法にもあります。
一般的なゲームで言うと、何か凄そうな魔法もポンポンと出すようなイメージですが、『Dragon's Dogma』の大魔法や特殊なスキルは環境を巻き込むような凄みがありました。
ゲーム的な設定の面から言うと、いわゆる「クラス」や「ジョブ」「職業」といった概念に「混成強化職」というものが登場します。
アニメのPVで、ポーン(従者)のアンナが光る矢を射っていたシーンがありました。
「マジックアーチャー」と呼ばれる職種のスキルは『Dragon's Dogma』ならではです。
登場しない可能性が高いですが、面白くてカッコいいスキルなのでアニメでも似たような弓さばきが見れることが楽しみです。
アンナは主人公を回復するスキルも使っていたので、相当優秀な使い手なのかもしれません。
(※ゲームでは再現ができません)
街並みが破壊されるシーンも大迫力なようで期待がふくらみます。
視聴前の読み込み
『ドラゴンズドグマ』は「Netflixオリジナル」のため、製作委員会という形を取っていないようです。
「Netflix」が出資して、アニメーション制作会社に直接依頼する形になっているかと思われます。
アニメーション制作は「サブリメイション」。
大元のアニメ制作としてクレジットされていないようですが、
『PSYCHO-PASS サイコパス』『ラブライブ!サンシャイン!!』『東京喰種トーキョーグール』『ジョーカー・ゲーム』『結城友奈は勇者である』『魔法使いの嫁』などの作品で、CG制作に携わっている制作会社さんです。
CGを得意とする「サブリメイション」の腕の見せ所ですね。
参考にスタッフさんを見ていきましょう。
スタッフさんを見ていく、Twitterのリンク
(敬称略、直近で有名そうな作品を後付け)
原作:CAPCOM『Dragon's Dogma』
(「ドラゴンズドグマ」公式 (@DD_CAPCOM) | Twitter)
監督・演出:須貝真也
(須貝真也(Shinya Sugai) (@ShinyaSugai) | Twitter、『Walking Meat』監督、『魔法使いの嫁』『PSYCHO-
エグゼクティブプロデューサー:櫻井大樹(Netflix)
(櫻井圭記として、『お伽草子』シリーズ構成・脚本、『攻殻機動隊 S.A.C.』『S.A.C. 2nd GIG』『攻殻機動隊 S.A.C SSS 3D』脚本・文芸
、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』『BLOOD+』『xxxHOLiC』『精霊の守り人』脚本)
共同プロデューサー:小林裕幸
共同プロデューサー:北原隆
脚本:砂山蔵澄
(『バキ』『とある科学の超電磁砲』『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』『弱虫ペダル』『カードファイト!! ヴァンガード』『BLOOD+』『ビューティフル ジョー』脚本)
キャラクターデザイン:西村郁
(『東のエデン』『攻殻機動隊ARISE GHOST IN THE SHELL』『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』作画監督、『攻殻機動隊 新劇場版 GHOST IN THE SHELL』作画監督補佐、『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』作画監督、『いたずら魔女と眠らない街』アニメーションデザイン)
アニメーション制作:サブリメイション
制作会社の「サブリメイション」は「Production I.G」出身の方が2011年に設立されたそうです。監督の須貝真也さんも立役者のようですね。
脚本の砂山蔵澄さんは、Netflixオリジナルの他作品2019年春の『ULTRAMAN』、2020年春の『攻殻機動隊 SAC_2045』にも参加されています。
昔にはなりますが、カプコンのゲーム『ビューティフル ジョー』のアニメに脚本として9話ほど参加されており、そういったカプコンつながりも見えますね。
アニメに欠かせないCG表現に、とてもよく理解されている方々が制作に携わっている印象です。
ハードルを下げるための知識
視聴前に期待しすぎると、「そこまで面白い?」となってしまう可能性があるので、あらかじめハードルは下げておきましょう。
どこまで違和感なく仕上げられるか
記事冒頭に紹介したティザーヴィジュアルに加えて、キーアートも公開されています。
Netflixオリジナルアニメシリーズ『#ドラゴンズドグマ』
キーアート解禁!世界的な人気を誇るアクションゲームがアニメ化🐉
己の心臓を奪ったドラゴンに復讐を果たすため、“覚者”として蘇ったイーサンの壮大な冒険が幕を開ける!🔥
9月17日、全世界独占配信スタート❗#ネトフリアニメ pic.twitter.com/42Vf5KIji3
— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) August 25, 2020
キーアートは、これまた海外向けのパッケージのようなデザインとなっています。
率直な感想を言うと、背景に見えるドラゴンやグリフィンの造詣が硬そうに見えます。
実際に動いた映像を見てみないと何とも言えませんが、セルルックCGでのモンスターの迫力がどんなものなのか、息遣いが感じられるものになっているのか、気になるところです。
しかし現実世界を離れ、異世界を旅するという目的は十分に叶いそうです。
気負わずに、ちょっと冒険しに行くくらいの気持ちで視聴するのが良いかと思われます。
余談
「Dragon's Dogma」をみれば、きっとあなたも英雄になれますよ。
原作のゲーム発売当時は、漫画『ベルセルク』のガッツとグリフィス装備が使えました。
2012年2月16日に公開された映画『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』とのコラボ企画で用意されたものだったようです。
ベルセルクはダークファンタジーの代表のような作品。
アニメ『ドラゴンズドグマ』もがっつりとダークな作風になるのか、それともゲームにあったような綺麗で、ときおりコミカルさが含まれる感じになるのか、それは観てからのお楽しみですね。
ゲーム『Dragon's Dogma』はHDリマスターのPS4版や、遊びやすいNintendo Switch、PCのsteam版も発売されています。
気になった方がいれば、Netflixのアニメと合わせて原作のゲームもぜひどうぞ。
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