2021/4/8公開のアニメ『極主夫道』の評価ページです。
どんな作品だったのか、視聴後でもオススメできるのか、ネタバレひかえめで振り返ります。
再生時間が話数ごとに異なり16~18分。
Netflix限定で初期はアニメ5話まで視聴することができました。
面白くて全巻買いました。
でもちゃんとしたアニメじゃないんだろう?
👍Very Good
- 声がキャラにドはまり
- 動きを補足する効果音と演出
- 耳に残るOP&ED
⚠️Notes
- 一般的に想像するアニメでない(あまり動かない)
- Netflixでしか視聴できない
- アニメ公式HPなし
客観的な指標
ファンサイトやデータベースサイトを見ていきます。
IMDb(海外サイト)
評価:3.7
(☆5換算、元のサイト上では☆7.4/10、投票数895、記事更新時点)
IMDbでは、一部投票者の性別と年齢の統計を見ることができます。
年齢を公開している人の中では18~29歳と30~44歳の人が9割。
どちらの年代もほぼ同数の視聴者数。
男性:女性の割合は2:1ほどになっています。
18歳未満で評価がすこし高く、全年代で横並びの評価です。
18歳未満 ⇒ ☆7.8/10、18-29歳 ⇒ ☆7.2/10、30-44歳 ⇒ ☆7.3/10、45歳以上 ⇒ ☆7.3/10。
MyAnimeList(海外サイト)
評価:3.45
(☆5換算、元のサイト上では☆6.9/10、投票数49,277、記事更新時点)
MyAnimeListでは、☆の数以外に視聴の状態を見ることができます。
「視聴中、完走、保留中、切った、観る予定」の5種類。
視聴予定の人が約53,000人、視聴中が約16,000人、完走が約56,000人、保留中が656人、切った人が3,594人。
完走に対して視聴をやめた人は1%以下です。
投票のボリュームは多い順に、☆7が31.5%、ついで☆8が19.2%、☆6が17.7%という評価。
Anime News Network(海外サイト)
評価:3.45
(☆5換算、元のサイト上では☆7.59/11、投票数22、記事更新時点)
投票数は少なめです。
サイト内に対談形式によるレビュー記事がありました。
Nicholas Dupree氏とSteve Jones氏によるチャットログ形式で書かれています。
結論から言うと 、文句(?)を言いながらもそれなりの評価をしていました。
例をあげると、
動かないアニメの手法に"in-between"(中割り)の必要性がないことの利点があり、そこは選択だスティーブ氏。
ニコラス氏はバーゲンの話での移動、集中戦と画面の揺れだけの表現に苦言。
漫画のペーシング、元の形であればもっとよく機能したのではないか、
ネガティブスペース(黒いコマの外)を建設的に使える、
など演出家の名前まで出して論評されていました。
まだまだ言いたいことがあるようですが、
キャストの津田健次郎さんが"saving grace"(埋め合わせとなる救い)だと述べています。
どうやらお二方とも、『極主夫道』で楽しい時間を過ごされたようです。
意訳:「アニメが、昔のゲームの実況プレイに見えるのが大好きだ」
「(しかも)隅でバウンドするVtuberの頭と、理解できない絵文字でいっぱいのチャット欄がない」
海外サイトを見た印象
IMDbでは全年代でほぼ同評価で☆7~8平均。
MyAnimeListではドロップアウトした人もほとんどいません。
コメディ作品らしく最後まで視聴されているのでしょう。
字幕で視聴するか、吹き替えで視聴するかで評価も変わってきそうです。
Anime News Networkでは22人中5人が吹き替えでみているようで、評価もすこし低い傾向があります。
主観での評価
動きが多くないため、作画やアニメーションについては語れません。
初見だと「アニメじゃない」との感想になるのは自明の理。
ですが原作が短編で面白いので、そのまま止まらず見てしまう。
余計な手を加える必要がないなら引き立てるだけでいい。
素材を生かした日本料理のようなつくりです。
原作をリスペクトしたアニメの形として、ひとつの答えではないでしょうか。
オススメしやすさを含めて、「もぐらの缶詰」では☆4の作品とさせていただきます。
内容の三行まとめ
- 元最凶ヤクザ・龍が主夫として生活
- 妻の美久をサポートすべく、アットホームに働く
- 元ヤクザの関係者と会うことがある
短編をまとめた日常コメディです。
大きな話の流れは特にありません。
原作との比較
構成がアニメとコミックでずれがありました。
気になったのでまとめてみます。
※公式のタイトル名はおまけ漫画のみ、他のタイトル名はアニメ・コミックともに存在しません
アニメ | コミック | |
01話 | 弁当 | 弁当 |
02話 | 包丁 | 包丁 |
03話 | 弟分登場 | 弟分登場 |
04話 | バーゲン | バーゲン |
05話 | 嫁の誕生会 | 嫁の誕生会 |
06話 | 1巻おまけ漫画:銀のさんぽ① (小屋にからまった犬) | ルンバ |
07話 | ルンバ | こどもを預かる |
08話 | こどもを預かる | DIY |
09話 | DIY | お買い物と服装 |
10話 | ヨガ | ヨガ |
11話 | お買い物と服装 | ベランダ栽培 |
12話 | 2巻おまけ漫画:銀のさんぽ② (猫のトイレ) | フリーマーケット |
13話 | クレープ屋 | 洗濯 |
14話 | 試乗 | 試乗 |
15話 | 洗濯 | クレープ屋 |
16話 | フリーマーケット | ママさんバレー |
17話 | ベランダ栽培 | 福引 |
18話 | 2巻おまけ漫画:ヒザの限界 (フリーマーケットの続き) | キャッチボール |
19話 | ママさんバレー | 黒い鉄砲玉 |
20話 | 福引 | サンタクロース |
21話 | キャッチボール | 薬膳 |
22話 | 黒い鉄砲玉 | カフェでパート |
23話 | サンタクロース | 姐さんの半額 |
24話 | 2巻おまけ漫画:練習 (義父がキャッチボールを誘う練習) | ポリキュアショー |
25話 | カフェでパート | パン作り |
26話 | 薬膳 | 組長のワンちゃん |
27話 | 姐さんの半額 | 龍の誕生日 |
28話 | 龍の誕生日 | お魚くわえたドラ猫 |
29話 | 組長のワンちゃん | BBQ |
30話 | 3巻おまけ漫画:姐さんと銀 (猫の声マネを聞かれる) | 牧場 |
色の別れているところが、アニメの話数と原作巻数の区切りです。
原作コミック3巻までの一部がアニメとなっています。
3巻のポリキュアショーとパン作りのお話はアニメに入っていません。
各コミック巻末には3つのおまけ漫画があり、アニメの締めに使われています。
これも一部未アニメ化。
すべて原作通りの順番ではなく、アニメで話数の入れ替えがいくつかあります。
アニメで変化した魅力は?
真面目にやるからこそシュールで、コメディの要素が生まれます。
津田健次郎さんの存在もそうですが、他の演者の方々も豪華です。
美久 ⇒ c.v.伊藤静さん
雅 ⇒ c.v.興津和幸さん
組長 ⇒ c.v.大塚芳忠
マスター ⇒ c.v.速水奨
酉井組の姐さん ⇒ c.v.田中敦子さん
etc……
紹介しきれないのですが、ちょい役で有名な方が出られています。
めちゃくちゃ良い声でやられるとたまったものじゃないですね。
原作通りの例外として、OPとEDでオリジナルのイメージシーンがあります。
映像は本編を生かしたものです。
主題歌は歌詞がヤクザにかかっているのが面白いところ。
メロディが耳に残ります。
まとめ:Netflixに入っているか、原作ファンならおすすめ
大きくキャラを動かさなくとも、音や映像のエフェクトで想像がふくらみます。
大きな動きがない分、作業しながら流し見もしやすい。
個人的には、クレープ屋のエピソードから始まるアニメ3話まで見ていただきたいところ。
ヤクザらしいコミカルさ満載で面白いです。
漫画もクスっと笑いたいときに大変オススメ。
なぜかアニメもよりも少し可愛らしさと迫力を感じます。
実写版PVも見ないと損
2019/12/27に公開された実写版PVも必見。
コミック発行部数120万部突破を記念したものになります。
なんと主演が龍役の津田健次郎さん。
映像化の時系列で言うと、
実写版PV(2019年12月)
⇒実写ドラマ(2020年秋クール)
⇒アニメ(2021春クール)
の順となります。
ちなみにドラマの主演は玉木宏さんです。
【出演】龍:津田健次郎 美久(声の出演):坂本真綾
【監督】津田健次郎/矢崎隼人
リンクが動画説明欄にあり。
気になった点
※主観的な批評になります
ビジュアル(演出)
▼漫画のコマをそのまま生かしているので、シーンによっては余白が黒くなっている
▼コマが独立しているのはめちゃコミック(めちゃコミ)などの漫画形式。
スマホで漫画を読むときは便利な形ではありますが、
作品の本来のコマ割りがなくなってしまうのがネックです。
▼多人数がいる場面で、ひとりのみが動いていると微妙に違和感があります
ストーリー(構成)
▼とくになし。
▼続編がみたくなる。
音楽(OP、ED、BGM)
▼なにもなし。
▼人によって色んな日常作品を思い出しそう
余談①:動かないアニメ、ボイスコミックとモーションコミックの違い
googleで検索数を調べてみると、
日本語で完全一致検索↓
- モーションコミック 約 1,120,000 件
- ボイスコミック 約 1,750,000 件
検索言語を英語にして完全一致検索↓
- motion comic About 796,000 results
- voice comic About 270,000 results
日本語ではボイスコミック、
英語ではモーションコミックの検索数が多くなります。
YouTubeでの検索でも同様の傾向です。
日本のボイスコミックの動画はたくさんありますが、
モーションコミックはあまり見つかりません。
英語の動画はアメコミだったり映画の前日譚だったり、他にもファンの作品があります。
正確な定義は日本語にはまだないと思われます。
内容だけ見れば、ボイスコミックよりも動きのあるものがモーションコミックでしょうか。
日本国内のモーションコミックは広告系のお仕事で多く使われる言葉のイメージです。
集英社が「s-cast.net」内で配信していた「“VOMIC”」だそうです。
今では様々な雑誌の公式Youtubeチャンネルで扱われるコンテンツとなっています。
余談②:入れ墨の消える中国版
元留学生、日本で働かれている方のツイッターより。
中国のバラエティ番組は前から出演者のタトゥーにモザイクをかけたりするけど、アニメもそうなっていたのはちょっと苦笑してしまう。今期の「極主夫道」、ビリ動版では主人公全身の入れ墨は見事に除去された。これじゃただ顔つきが怖いおっさんじゃないかってつっこみたくなる
←Netflix版 ビリ動版→ pic.twitter.com/blIzKmPY0Z— 八子 (@hathiko8) April 10, 2021
ちょっと気になったのでbilibili動画を訪問。
日本からのアクセスでアニメは見れませんが(許諾がないため)、再生数は見れます。
ファンの方は166.6万人。
自信をもって誤訳と言えないのがこわいところ。
©おおのこうすけ/新潮社