2020/07/22(水)『Re:ゼロから始める異世界生活』第二期3話が放送されました。
一期から通しでの名称は「‐ 2nd season 28話 ‐」、タイトルは「待ちかねた再会」となっています。
原作は10巻の約6割までの消化率、3話はOPとEDなしです。
最後はnonoc(ノノック)さんが歌うEDテーマ「Memento」をBGMに話が進みました。
「Memento」には、記念の品、形見などの意味があるようです。
厨二心では「メメント・モリ」=「死を忘れるなかれ」というラテン語を思い出します。
今回は、ストーリーの主要人物と会ったり会わなかったり、
原作の書籍版とも違う内容がありました。
軽く変更点や内容などを見ていきましょう。
流し読み(もくじ)
内容の三行まとめ
- 「強欲の魔女」エキドナとお茶会
- ガーフィールと出会う
- 聖域の集落へ到着、聖域についてロズワールの解説
小説(書籍版)と違う点として、時系列順にあげてみます。
- エキドナへの質問をカット
(ピンク髪のエルフ、青色の輝石、大罪司教、聖域の住人について) - 「魔女の城」という表現の削除
- 他の魔女を語るシーンのあと、草原へ戻るよう変更
- 現実へ戻るための扉 ⇒ 異次元へつながる裂け目のようなものに変更
- オットー登場時、意識のないぐるぐる目状態に変更
- ガーフィールの登場シーンの変更(竜車の脇 ⇒ 突然背後から現れてスバルを投げ飛ばす)
- スバルの投げられ方、受け止められ方の変更
- ガーフィールの使う慣用句をweb版から追加
- オットーがちょろいシーンの追加
- ロズワールが化粧をしていない状態に変更
- フレデリカに対する疑念が深まるシーン、ガーフィールの思いのたけ、ラムのトレーやお茶などエピソードのカット
- 主要人物が登場しない(4話以降にずれる?)
- 聖域の住人がどのような考えを持っているかなど、スバルとラムのやり取りをカット
- エミリアが試練に挑む際に、スバルとガーフィールの会話の追加
やはりカットされたシーンが多めです。
そのぶん、ほどほどに変更や追加されたところがあります。
ロズワールとの話し合いのシーンがあっさりめになり、話の筋が分かりやすくなっていました。
キャラ同士の日常的なやり取りが少なくなるのは尺の関係で仕方ないですね。
前回の2話と同じで、面白いやり取りが多いため、書籍版もおすすめしておきます。
「強欲の魔女」エキドナとお茶会
出典:アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

もっとねちっこい奴かと思えば、これなら体液も余裕だ。一杯もらおう。

感情表現が豊かで可愛かったですね。
笑い声、驚いた声、照れた演技などもあり、魔女の一面とのギャップにやられた人が多そうです。
前回はスバルが遺跡に入ったところ、
女性の声が聞こえてきて、振り返れば草原にいたというシーンでした。
エキドナの言う「茶会」は精神的な世界にあり、そこへ招かれたそう。
肉体的な転移をさせられたあとでこれはスバルも大忙しですね。
魔女の申し出に、スバルは即行動。飲むのはやっ。
スバルの飲みっぷりにエキドナも満足げです。(cv.坂本真綾さんでした)
エキドナのお茶は味がしないとのこと。
お茶にうるさいラムあたりが飲んだらどんな評価なんでしょうね。
(スバルはお茶の味に関心がないという設定があったような気がします)
茶会のシーンは背景美術や作画もさることながら、BGMやSEが良かったですね。
得体のしれない存在を前にしたホラー感があり、でもどこか神秘的で安らぎがあるような、そんな感じでした。
エキドナによって、7人の魔女全員が簡潔に語られました。
イメージとなる背景には宇宙があり、星雲のような形で魔女のシルエットが現れました。
それにはどこか「スバル」らしさがあったような気がします。
- 「暴食」ダフネ
- 「色欲」カーミラ
- 「憤怒」ミネルヴァ
- 「怠惰」セクメト
- 「傲慢」テュフォン
- 「強欲」エキドナ
- 「嫉妬」忌むべき彼女(サテラ)
エキドナもサテラに殺されただけあって思うところがあるようです。
原作のルビは「憤怒(ふんぬ)の魔女」となっていましたが、
エキドナが「憤怒(ふんど)の魔女」と言っていたことが小さな変更点でしょうか。
今後の発言と合わせるためかもしれません。
加えて原作では、魔女因子に修飾語がありませんでした。
アニメではお茶で「怠惰の」魔女因子に働きかけた、と言っています。
ペテルギウスをやっつけた結果、スバルにくっついたものですね。
謎の遺跡は墓所で、そこに入っても平気なのも、エキドナと会えたのも、魔女因子のおかげだそうです。
カットされていますが、スバルが勝手に入ってきただけで、囚われたわけではないとのこと。
小説では他にもいろいろ聞いているのですが、エキドナは外の要因とは一切無関係です。
(知識の権化なのに何も知らないというツッコミどころに対して、いつものスバルの調子でエキドナとやりあっていたりします)
エキドナいわく「君の存在を好ましく思っている」らしい。
魔女開拓ルートはスバルの特権ですね。
最後に、魔女の指舐めがマルチアングルで二回流れました。
強欲の魔女教徒がいたら歓喜しているところだと思われます。
あとまつげがふさふさでした。
体毛が白だからこその魅力。黒だったらケバそう。
ガーフィールと出会う
出典:アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

オットーはのぞいていないだろうな!?

エミリアを寝かせるときに、ヘタレていそうな様子が目に浮かびます。
そしてアニメではオットーが伸びていたため、スバルが来る前に単独でガーフィールに挑んでいた可能性がありますね。
目覚めたらエキドナのことを覚えてないスバル。
エキドナのことを忘れるという誓約が、魔女のお茶会の対価とのことでした。
遺跡を出ると危険人物とされるガーフィールが登場。
cv.岡本 信彦さんでした。
口調的には『とある魔術』の一方通行に似ていますが、彼よりもすこしハツラツとしている印象です。
パトラッシュの噛みつきを平気で受けたり、投げ飛ばして「良い女」と言ったり、ガーフィールの感覚はふつうの人間とずいぶん違いそうです。
パトラッシュは有能すぎる。公式で擬人化して欲しいくらいです。
ここで原作との変更点が2つありました。
- オットーが気絶している
- ガーフィールの動きが違う
主な目的としては時間の節約でしょうか。
オットーが気絶していることで、会話時間は減っていそうですね。
起きていてもいなくてもそんなに変わらない、と言ったらオットーにはキレられそうですが。
ガーフィールの動きは、対峙するよりもあらかじめ背後に回られていた方が時間の節約になります。
さらに書籍版だと、竜車に向かってスバルが投げられたのに対し、
アニメでは空中に高く放り投げられました。
そのためスバルの受けとめられ方も変わっています。
書籍版の場合はうまく演出をしないと、ギャグっぽくなるのかもしれません。
短気なガーフィールに、フレデリカの関係者だろと伝えて一件落着。
なぜ分かったと不思議がるガーフィールですが、特徴のある牙と髪色で一発ですね。
ガーフィール用語のおさらい
初回にアニメをみたとき『花だらけのマグマリンが笑う』なんて言ってたっけと思ったら、『穴だらけのマグマリンが笑う』がweb版にありました。聞き違えました。
・web版(第四章8『待ちかねた再会』)より、アニメとは別シーン
「このまんま話も通さずに中入れたら、余所者の侵入者だっつってビビり共の総攻撃で『穴だらけのマグマリンが笑う』にそっくりになっちまう。話してきてやっから少しだけ待ってろや」・書籍版
「そんなところから堂々と、いい度胸してんじゃァねェか、余所者」
・アニメ
「そんなところから堂々と、いい度胸してんじゃァねェか、余所者。『穴だらけのマグマリンが笑う』ってやつかァ?」
意味は、手抜かりがあって「後悔先に立たず」といったところでしょうか?
アニメでは良いキャラ付けになっています。
語呂もいいですし、声に出して読みたくなるガーフ語。
マグマリンは書籍の方には登場しない発言でした。
(そもそもweb版だとスバルが転移せずに、聖域に向かう道すがらガーフィールと出会うという形になっています)
参考
アニメでは和解して、馬車の中で言っていた慣用句になります。
『考えるよりガングリオン』(web版には未登場)
書籍版ではガーフィールと出会い、ひとまず俺の対処が先だろといった文脈での発言。
「先んじて直感的に何かやっとけ」みたいなニュアンスの言葉でしょうか。
「案ずるより生むが易し」や「下手の考え休むに似たり」とも似通った部分がありそうです。
『右へ左へ流れるバゾマゾ』
web版では(第四章6『聖域への道中』)ガーフと出会った直後、書籍版ではガングリオン発言のすぐ後に言います。
「さんざんに痛めつける」、エミリア風に言うと「ぎったんぎったんにする」という言葉?


ところでガングリオンは実在しますね。
マグマリンも『ラグナロク・オンライン』というゲームのモンスターにいます。
聖域の集落へ到着、聖域についてロズワールの解説
出典:アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

ヤムチャのポーズをしていると何かの海洋生物みたいだ。

まだらに光っていて、全部が光っていないのがまた幻想的です。
聖域の集落に到着しました。
アニメ化でしっかり絵になり、「こうなってたのか」とばっちり頭の中にインストール完了しました。
王都などの様子もそうですが、「百聞は一見にしかず」というやつですね。
ガーフィールいわく、
聖域は半端ものの寄せ集めが暮らしており、行き詰まりの実験場だそうです。
実験場とは穏やかではありません。
ラムとの再会では、心ある辛辣な言葉はしみました。
ラムを見て、レムを思い出してしまうスバル。
この辺りの複雑な心境は何とも言い難い。オットーはちょろい。
そしてロズワールとも久しぶりの再会。
スバルの偉業に大満足といった様子です。
原作・長月達平先生のツイートで気づきましたが、ロズワール化粧してませんね。
何か足りないと思ったら化粧でした。
ロズワールはわざわざ魔女という言葉を言い直させます。
魔女という言い方は邪悪な感じがすると、エキドナを特別視している様子。
しかしエキドナとの誓約で名前を聞いても思い出せないスバルです。
この辺は重要なところでもあるので、会話の内容や状況について軽くまとめてみました。
聖域についての説明
・魔女エキドナの最後の場所=墓所
・ロズワールにとって聖域と呼ぶべき場所
聖域の性質について
・迷いの森は、正式な手順を踏まない部外者を通さない
・結界は、血の条件を満たすもの(亜人との混血)には特別な効果を発揮する
(=結界のせいで混血は外に出られなくなる)
なぜ、ロズワールが魔女の墓場を管理しているか?
・代々メイザース家が管理を引き継いでいる
・管理といっても何もしていない
なぜ、ロズワールたちは聖域から屋敷に戻らなかったのか?
・聖域に軟禁されていたため
なぜ、ロズワールは包帯でぐるぐる巻きにされているのか?
・結界を解くには試練に挑む必要があり、混血以外が試練に挑むと爆ぜるため
ここまでの話をみると、
軟禁しているガーフィール(聖域の住人)たちの要求は、「聖域から出ること」になります。
一方のロズワールやラム、村人たちは混血でないので聖域から出ることができます。
果たしてロズワールは領主としての責任感から試練に挑んだのでしょうか。
ロズワールほどの力がありながら、軟禁されている状態になっているのはなぜか。
また聖域の役割についても、現時点では語られていません。
ロズワールがこの有様です。
そこで、白羽の矢が立ったのがエミリア。
エルフとの混血であるエミリアには試練に挑む資格があります。
聖堂に避難していたアーラム村の人たちに、エミリアは家族のあり方について自分の思うところを語り、自分から頑張ることを伝えました。
そしてラムが謝る珍しいシーンがありました。
そのあとのラムらしい言葉やスバルとのやり取りが小説では見ることができます。
そこに続くラムとのエピソードですが、現状カット中。
聖域の住人がすべて解放に賛成しているかと言うと、そうでもないということが語られます。
さらに複雑なのは、考えていることと表に出る行動が一見矛盾しているような人物が複数登場する(している)こと。
そしてアニメ版独自の展開で、とある登場人物の不在があります。
この辺りがどうストーリーに影響していくのか、原作と比較できそうで面白くなるかもしれません。
エミリアにとってパックの不在も大きな要素だと思いますが、
4章はしっかり見ていかないとですね。
終盤でスバルとガーフィールのやり取りがありました。
スバルの「どうして自分で解放しないのか」の問いに、
ガーフィールは「やれんなら、やってんだよ」とつぶやきます。
ここはアニメオリジナルですね。含みがあります。
灯りが消えるという異常事態に、なぜか聖域に入れるスバル。
(エキドナが魔女因子があるために墓所に入れると言っていました)
己の過去と向き合え、というナレーションの言葉がスバルの声でした。
てっきりエキドナが言っているのかと思っていたので、すこし驚きです。
過去と向き合う先、「はむらびほうてん」の言葉が絶妙に隠されていましたね。これは良い熱さのあるオヤジだ。
次回は現実世界の旅へ……。
ハンカチを用意しておきましょう。楽しみです。
余談:EDクレジット/ペトラのハンカチについて
クレジットを見ていると「オンライン編集」という項目がありました。
この辺はコロナの影響なのか、元からアニメ制作でやられているものなのか気になります。
あと「若返りばばあ」のクレジットはひどい気がします。みつけて笑いました。
そう言えば、二期1話のクレジットにスペシャルサンクスの記載がありましたね。
「webから応援してくださっている皆様」と他にもあったような気がします。
普段クレジットはあんまり注目して見ていないですが、感想を書いている以上、一応その辺りも見ていきたいところです。

Photo by Eric Ding on Unsplash
あとはスバルの作画について。
ペトラのハンカチが見えない状態がデフォなのでしょうか。
2話を見返したら腕に結んだ次の瞬間には、ハンカチはジャージの袖の下になっていました。
web版だと刺しゅうも入っていたんですね。
最後に読んだのが約4年前というのもあるんですが、
リゼロはストーリーが気になりすぎて、精読できていないという何とももったいない読み方をしていたような気がします。
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会